ブルーパブレストラン ロック

墓参りの後は、清里に移動。モンテローザという名のペンションにチェックインした後、観光施設「萌木の村」内の「ブルーパブレストランロック」で夕食。
このレストランは、以前このダイアリーでもとりあげた(id:tearus:20050710)、ビール職人、美味いビールを語る(ISBN:4334031439)の山田氏が醸造長を勤める八ヶ岳ブルワリー併設のレストランだ。

さて、元キリンの職人がどんなビールを作っているのか?

萌木の村の木立を抜けたところに、目的のロックはあった。外観はアメリカンな感じのカジュアルなレストランだった。
3連休の中日ということもあり、店内は非常に混んでいて、席に着くまでしばらく待たされた。連休とはいえ、避暑地の清里としてはオフシーズン、それにかつてのペンションブームも去り観光地としては斜陽というイメージのあった清里の地に、こんなに盛況なレストランがあるとは、ちょっと予想外だった。
待ちながら、内装を見回すと、やはりアメリカン。どこかのロックフェスの映像が流れている。

さて、その日、提供していたビールは、ピルスナーデュンケル、ラガー、そして季節限定のアルトの4種類。夏場は賞を取ったというロックボックというのを出していたらしい(ボックって冬のビールのイメージがあったのだが...)。お試しセットみたいなものは無かったので、小グラスで一通り頼むことにした。
料理は、腸詰屋のものと思われるソーセージや、肉料理、そしてなぜかカレーライスが人気メニューらしい。どのメニューも東京のレストランに比べると一皿の量も多めで割安感がある。
私達夫婦は、ソーセージの盛り合わせ、ラム肉のグリル、ポークの煮込み、ピクルス、サラダ等を頼んだ。どの料理も非常にうまい。野菜は味が濃いし、肉料理も美味い。味付けは弄り過ぎたものではないんだけど、ちょっと一工夫があるようで、どの料理もちょっとオヤ?と思わせる。

さて、ビールに話を戻すと、どのビールもスッキリとしていて非常に飲みやすい印象だ。山田氏は本の中で

私が清里でビールをつくるようになってら、もっとも大切にしたいと思っているのは飲み口と喉ごしです。清里の爽やかな風のようなビールをつくりたい。爽快な飲み口と喉ごしというのは、ビールならではの要素でもありますしね。
飲んでいるうちに飲み飽きしたり、喉にうっときたりする、そんな下手なビールはつくりたくない。口当たりが軽く、すっきりしていて、飲んだ後にふわっといい香りとモルトの芳ばしいうまみが立ち返ってくるような、そんなビールをつくりたいです。

と言っていたけれど、なるほどな、という感じだ。地ビールにありがちな、強い主張というのはなく、控え目で、バランス重視、やや軽く、飲み飽きない。キリンラガーのように苦みが際立つということはない。:-)夏の避暑地のビールとしては非常に適切なキャラクタだと思う。山田氏の本では彼の好きなようにやっているようなことが書いてあったが、彼自身、客のことはかなり意識していそうだし、レストランの料理の味のことも考えると、萌木の村のスタッフにマーケッタとして非常に優秀な人がいるんじゃないかと感じた。
正直、スタイルが違っているにもかかわらず、不思議と同じ印象を受けた4種類のビールではあったが、その中で特筆すべきは、定番のピルスナーだろう。単にスッキリと飲みやすいだけでなく、リンゴのようなフルーティな残り香りもある。こんなピルスナーは初めてだ。

もし、こんなレストランが近所にあったら、かなり幸せになれそうな、そんな素敵な店だった。また行く機会があったら、次はカレーを食べてみたい。