おたく談議華やかなりし今日この頃

さいきん「萌え」ブームのためか、おたく談議もまた多く見かける。
そんな状況を一部の初期おたく評論家*1は快く思っていないらしい。
吾妻ひでおの「うつうつひでお日記」を読むために買った、comic 新現実 vol.3*2にも「趣都の誕生」の森川嘉一郎大塚英志による「『おたく』とナショナリズム」なんて対談がのっていた。
内容的には、アキハバラの特殊性やら、森川の建築意匠論やらを認めない大塚がひたすら森川につっこみ(難癖を付けていた、と言ってもいいだろう)、それに森川が逐一誠実に答えるも大塚がキレる、の繰り返しって印象。
結局のところ、この対談の噛み合わなさは、世代間対立なんじゃないの?
一応対談で議論もされてたけど、そもそも、大塚の「おたく」と森川の「おたく/オタク」は違うもんじゃないの?漫画ブリッコの頃のおたくと今の「萌え」なおたくとは社会環境にかなり違いがあるだろうに。
そして、最近の「萌え」ブームやハデに立ち回ってる森川のことが単に気にいらないだけじゃなくて、大塚は、森川の立ち位置や視点や行動が大塚の言うところの「おたく」にとって、有害なものと、本気で考えてるフシがある。宮崎事件・その後の裁判に関わった大塚ならではの視点なのかもしれないけれど、それってどうよ?とも思う。
さらっと流しておけよ、と思うけれど、それを流さないところが、大塚英志の芸風なので、ま、しようがないか。

さて、そんな中、かなり場違いとも言える @IT System Insider の頭脳放談で Massa POP Izumida 氏が

さて年寄りがこのアキバ系「サブ」カルチャー史を概観していて、1つ思い当たったのが、根底に流れるバーチャルなものへの追求である

http://www.atmarkit.co.jp/fsys/zunouhoudan/059zunou/akihabara.html
と喝破している*3
オーディオやハムの(さらに遡ってラジオ?)時代から今のフィギュアの時代に至るまで、アキバはオタクの街だともいう。たしかにその通りだよなぁ。

*1:おたくの評論家なのかおたくな評論家なのかは謎

*2:既にvol.4が出ていて、それにも、ちゃんと「うつうつひでお日記」は掲載されている。(:-)

*3:本人的には「喝破」していないんだろうけど。