iMiEV

先日、いつもお世話になってるディーラーの前を車で通りかかたら、iMiEVの試乗車が置いてあった。そこで、急遽寄って試乗させてもらった。
既に多くの人が試乗レポートをしているので、今更な感はあるが、個人的に、やはりとても新鮮だったので、つらつらと感じたところを書いてみたい。

まず、走りに関しては、想像以上に完成度が高い。とても乗りやすく、違和感も少なく、乗り心地も良い。街乗りには最高かもしれない。

というのも、まずは、モーターは低回転域トルクが大きいので、ストップアンドゴーの加速がとても良い。これは、街乗りではとても大きなメリットだ。
電池のため車重の増加は、デメリットではあるのだが、重心も低くなったため、車の挙動としては、普段乗っているガソリンのiより落ち着いている。サスペンションも強化されたのだろう、乗り心地としては、重厚感があり、こちらのほうが数段上だ。

唯一違和感があったのは、ブレーキも強化されたためだろうか、低速時にわりとカックンとブレーキが効くところだ。まぁ、これは慣れの問題だろう。

とまぁ、短時間試乗した限りでは、自動車としてとても良くできている。現代的な量産電気自動車としては、世界初のものがこれだけのクオリティなのには正直驚いた。電気自動車であることをさほど意識することなく使え、それでいて電気ならではのメリットも感じられる。すばらしい。

もちろん、価格と航続距離の問題はあるのだけれど。

いかに、急速充電は30分以内といっても、航続距離は、家庭でのレジャー使用を考えると、正直、実使用で120-150Kmぐらいは欲しいところだ。
特に、高速道路の連続使用で120Kmぐらいは最低限必要だろう。ただ、高速での航続距離は、高回転でトルクが細るEVには鬼門らしい。

航続距離は問題。しかし、逆にいえば、問題はそこだけだ。
こうなってくると、電池の改良以外の問題克服について、いろいろ妄想が膨らんでくる。すでに同じこと言っている人は多数いると思うけど、あえて調べず思いついたものをつらつら上げてみたい。

まず思いついたのは、充電池のモジュール化による充電池交換の簡便化だ。もし5分で交換できるなら、ガソリンスタンドならぬ電池スタンドが十分実用になるんじゃないかと思う。
モジュールはレンタルにして、月々の基本料金+交換手数料みたいな感じで。
長距離を走る時は、トランクルームに追加の電池モジュールを付けられるようにしてもいいじゃないだろうか。

次に思いついたのが、純粋なEVじゃなく、燃料電池やエンジンを用いてのプラグインハイブリッド。といっても、EVが基本で、燃料電池等はあくまでも、航続距離を延すための付加的なもので。もちろん、エンジン式の場合は、プリウス式のプラグインハイブリッドではなく、シリーズ式で。
この場合、システムの重量と大きさが問題になるけれど、小型のエンジンとジェネレータなら、今の技術でもなんとかなるんじゃないかな。(根拠レス。素人でもある程度検証できそうだけど、やってない。)

このへんは、ホンダあたりが真剣に開発してそうな気がする。
あと、こういう用途だと小型車には、ロータリーエンジンって意外に向いてるんじゃないのかな?特にH2燃料で(って無理すぎか)。でも、やはり低回転/定回転でいいんで、本命はクリーンディーゼルなのか?

次からは荒唐無稽系なのだけれど、都市部だと、交差点に非接触の電磁誘導式の充電設備を埋設し、信号待ちの時にこまめに充電するというのはどうだろう。課金や充電のオンオフ制御に車のIT化が必須だけど、この点は今となっては、技術的ハードルは低いんじゃないかな。
もっとも、小まめな充電がどの程度意味あるのか、設備を埋設するコストが大きそう、とかいろいろ問題はありそうだけど、渋滞する都市部ではまったく無意味ってわけでもないだろう。

次に、昔のトローリーバスを思いだした。幹線道路や高速道路の走行車線に架線して、EVに給電するというのはどうだろう。これなら、高速道路での長距離走行も安心だ。とはいえ、トロリーの安全かつ実用的な構造(架線部分と非架線部分をスムーズに切り替えできないといけないし)とか、様々な大きさ形状の車両への対応とか、EVと非EVの混在交通環境での安全性の確保とか、景観の問題とか、シロートでもすぐ思いつくような問題が山積なので実現性はかなり低そう。
でも、自動運転が実用レベルになれば可能性があるかも?自動運転はつまらないけれど、商用車なら、規格化も比較的容易だし、けっこう普及するんじゃない?

...とか、妄想がとまらない。とにかくiMiEVは新しく、そして、実用的なものなので、刺激を受けたのは確か。機会があれば、ぜひ乗ってみてほしい。きっとなにか新しい発見や発想が得られるはずだ。