同潤会アパート


先日、東京新聞で、もうすぐ、同潤会アパート三ノ輪アパートが取り壊しになるというのを見て、昨日、行こうかと思っていたLa Festa Mille Migliaを取りやめ、わざわざ行ってみた。同潤会アパートといえば、昭和初期のモダンな建築物のイメージがあったのだが、すでに、住民が退去し、門を堅く閉ざしたその姿は、廃墟の怪しい魅力を感じさせるものではなく、(ほとんどコンクリートの補修がされずにきたのだろう)コンクリートが割れ、鉄骨がむき出しというもので、ただただ痛々しいものだった。これでは、素人目にも、解体はやむを得ない。
生の営みと機能美にあふれていたであろう建物が、ここまでなってしまったことに憤りを感じるとともに、分譲住宅の管理の難しさも強く感じる。かなり、ツライ。

さらに、足を延ばして、三河島からJRで上野に出て、上野下アパートにも行ってみた。三ノ輪アパートが閉鎖されている今、現存する唯一の「生きている」同潤会アパートだ。
こちらは、一階の一部が店舗に使われていたり、多少は修繕がされているようで比較的状態はよさそうに見える。佇まいも生活感があり、十分建物として生きている。
権利関係は複雑だろうし、住民にとっては住みやすいものではないだろうけど*1、リノベーションしてなんとか残せないものかとも思う。
そのためには、法律を変えて、海外のようにリノベーションの環境づくりをするのが第一だろうが、不動産は利害や利権やら複雑なので難しいだろうなぁ。取り壊して、高層化することだけが高度な街づくりということもあるまいに*2。ストックを生かすのは、とてもエコなことだと思うのだが。

同潤会アパートめぐりのあと*3は、これまた取り壊しが噂されている(されていた?)上野のレストラン聚楽台*4へ。ここは、安くてうまい印象があったのだが、頼んだ懐かしのプレートは?な感じ。味が落ちている気がする。。。三階のビアレストランはすでに閉店していた。

そんなこんなで、昭和懐古な昼下がり。

*1:大学時代の友人が、既に立て直しとなった赤坂アパートに一時期住んでいて、ちょっと中を覗かせてもらったことがある。とても趣があり、ある意味素敵なところであったが、下水等に問題があり、暮らしにくそうではあった。

*2:高層分譲マンションは、個人的には問題を複雑にするだけだと思う。森ビル(何とかヒルズ)のように賃貸にするのは理にかなっていると思うが。

*3:実は、上野下アパートの近くの真空管喫茶(?)のシャコンヌに行こうとしたのだが、土日は休みだった。。。

*4:西郷さんの銅像の下にあるのにちなみ、西郷丼なんてメニューもある。前に食べた時は美味しかったけど。