サマソニのサマリー

幕張のサマソニは、もう3,4回目だけれど、2日間とも行ったのは初めて。当初、Boom Boom Satelites, Polysics, Devo そしてなんといってもジザメリが出る2日目だけチケットを買ったのだが、結局1日目も購入。結論としては、1日目も行って正解というか、1日目が特にスゴかった。

聞いたライブは、予定とはやはり違って以下のとおり。

一日目

二日目

いとうせいこう&Pomelaniansは、暑い夏にまったり聞くには、よさげだったのだが、開演直前に、Perfumeが既にヤバい、という情報が送られてきたので、一曲だけで、ちょっと後ろ髪引かれつつも退散。

Perfumeは、噂に聞く彼女らのMCも踊りも、良いんだけど、個人的には、一度見れば十分かな。もっとも、これも噂に聞く、バックトラックの、かなり本格的なクラブミュージックっぷりとのギャップは、確かに面白い。テレビで見たときには聞こえない音も聞こえてくる。隣の人との感覚が50cm以上あって、ゆるゆる踊りながらだと、結構楽しめたのかもしれない。
ところで、一部で話題になってるけど、入場規制が遅かったり等、運営上の問題があり、会場は激混みだった(会場の外も激混みだったようだが)。やはり一部で話題になっていた将棋倒しにも巻き込まれた。私には、幸い怪我はなかったけれど、身の危険を感じたのは確か。ケガ人は出ていたようだけれど、重傷のケガ人が出ていなかったようなのが、不幸中の幸い。何かが、ちょっと違ていただけで、死者が出てもおかしくない状況だった。中止にならなかったのが不思議なくらい。ただ、大阪より曲が少なかったようなので、内容を急きょ変更したんだろうね。(下手に中止にすると逆に暴動が起きかねないしね。)

意外に良かったのが、Yelle。フレンチアイドルダンスミュージックなのだが、わりと(音楽のスタイルの)引き出しが多くて、飽きない。Perfume->Yelleの流れで、日仏のアイドル文化の違いを体感することができた。*1ラストに太鼓を叩くのも、キュートな演出だ。

Panic at the Discoは、あまりに好みではなく、いたたまれなくなったので、途中で抜けて、メッセに向った。ラスト3分聞いただけだが、South Centralは悪くなかった印象。Panic at the Discoなんて行くんじゃなかった。

The Verveはリアルタイムではまじめに聞いていなかったのだけれど、YouTubeで見た再結成後のライブが、あまりにも良かったので、腰を落ち着けて聞いてみることにした。
はたして、この日の演奏もすばらしかった。改めて聞くと楽曲はいいし、ボーカルのRichardの声もいい。演奏も一体感があり上手い。なんで、当時ちゃんと聞いてなかったんだろう?でも、たぶん、今の彼らのほうが演奏に円熟味が加わっているのだろうし、私自身も音楽についてのミョーなコダワリが消え、その良さがわかるようになったのだろうな、と思った。

Pistolsも、活動していた時は、私は小学生。さほど聞いてはいなかったのだけれど、ま、話のネタに見ておくか、ぐらいのつもりで行ってみた。しかし予想外に楽しめた。Johnnyは今でも十分声がでていたし、演奏も上手いのとはちょっと違うけど、イイ。そして、「君はトゥー・シャイ 」(超訳)、と煽るJohnnyのエンターテイナーぶり*2も良かった。

Pistolsは、元祖にして最高の(ファッション)パンクバンドだ。*3

Pendulumは、事前に聞いたのはアルバムIn Silicoだけ。演奏したのも、殆どIn Silicoからだった様子。*4アルバムではちょっとウルサさが耳についたけれど、ライブだと、そのウルささが悪くない。ただ、特徴的なリードシンセの音に頼り過ぎの感もある。しかし、今や、こんな音が普通にウケるんだから、時代は変ったなぁ。

MEGはPerfumeとちがって、特別な踊りは踊らないかわりに、ちゃんと歌っていた(というか生歌も混ぜていた、というべきか)。歌もそこそこ上手い。ヘンな着ぐるみがでてきたのは、ご愛嬌。MCもわりといい娘っぽくて好感が持てる。
会場も、わりと埋まっていたとはいえ、Perfumeの比ではないので、ゆるゆる踊ることができた。ブリブリのベースはPerfumeと同様なので、踊るには気持良い。
ただ、楽曲は、Perfumeに比べると、やや気合が入ってないような気がするのは、気のせいだろうか?甘い贅沢の歌詞などは、Perfumeよりお姉さんなアイドルテクノポップとしていいんだけどね。どうなんでしょう中田さん?:-)
それから、某友人がこの音に飽きたとかいっていた。たしかに、売れ過ぎて急速に消費されてしまう恐れもあると思うんだけど、どうなんでしょう中田さん?:-)

Polysicsは、とにかくもう、クレイジーとしか良いようがない。デビュー当時から気にはなってたバンドなんだけど、見るのは初めて。ハイテク+ハイテンション。DevoのSecret Agent Manをカバーしたけど、テンション高すぎ。Devoは、StonesのSatisfactionの変態ハイテンションカバーで有名だけど、PolysicsのSecret Agent Manは、さらにテンションが高すぎてヤバい。ハイテンション化の純粋培養。

Boom Boom Satellitesは、以前から好きなバンドだけれど、ライブを見るのは初めて。彼らはサマソニに何度も出てるけど、今まで、なんとなく日程があわなった。Industrial系のバンド故、メンバ二人はギターとベースを中心にプレイ。ほかに生ドラム。前日のPendulumでは、リード楽器としてキーボードが、うなっていたけれど、こちらは、キーボードは置いてあったけどほとんど弾かれず。中野氏は、ベース(時々ギター?)を弾いていた。
電子音多用でダンサブル、という点では、ポリもブンブンも共通するけど、その他の点では、およそ対照的なライブ。ハイテンションでゴリゴリとライブならではのノリで押してくるポリに比べ、ブンブンは激しくも、ちょっと引いた感じで、川島氏のボーカルもアノ感じ(:-)で、ちょっと独特の世界。
打ち込みと生音の調和度は高かったし、曲も、このスタイルとしては、バラエティに富んでいて、ただハードさだけで押すのではない、構成は知的だ。
一方、客のノリはかなり激しかった。人気あるんだねぇ。
ライブ後Mountain StageのMCの人が「日本の宝」と彼らを表したけれど、私もそう思う。Polysicsもね。ちょっと下世話な話だけど、欧米でのセールス的にはどっちが上だろう?なんてことも頭をよぎった。
実は、Boom Boom Satellites、友人の一部には非常に評判が悪い。なんでかな?と考えたんだけど、そもそも、彼らはこの手の音楽が嫌いってことなんだろうな。こいうインダストリアル系の音は、単調で五月蝿いだけに感じる人も多いだろうし。

Spiritualizedは頭の2曲程聞けただけだけど、Spacemen3からは、かなり遠いところにきてしまったようだ。ノイジーでスペーシーなギターは健在だけど、黒人のコーラスの女性がいたりで、ちょっとソウルテイスト。

Devoは、メタボオヤジの集団と化していたけれど、このメタボオヤジがすごい!Mark Mothersbaughは、声もとおるし、元気。他のメンバも必ずしも上手いというわけでもないが、パワフルな演奏をくりひろげる。Secret Agent Manは彼らぐらいユルいほうがいい。楽しかったけど、次のジザメリを見るために、途中で退出。

The Jesus and Mary Chainは、20代のころ良く聞いていたバンドの一つ。といっても、初期はちゃんと聞いていないし、ライブにも行っていない。一曲目のSnakedriver(だっけ?)から、バキバキのリズム(ドラムがRideで、ベースがLushの人だったのか!)に、ギターのフィードバック、それに、あのユルい弟のボーカル。リズムはバリバリ。でも、上ものは、ユルく刹那的。ああ、こうだったよなぁ。
最後のほうは、だいぶ皆さん疲れてきたのか、さらにユルさが増した気もする。ラストのReverenceは、ちょっとリズムがヨレていたような気もする。それでも、淡々とI wanna die...と歌われると、こちらも、昔を思いだしてアツくなる。
ハウリングが多かったし、兄のギターも多少トラブルを抱えていたようだし、決して演奏は上手いとはいえないし、で、ライブそのものできは、そこそこ、といったところだと思うけれど、ジザメリだしなぁ、とか思えてしまうのは、私がオッサンになったってことだな。でも、楽しかった。

さて、イベントとしてのサマソニは、2年ぶりだけれど、会場の構成が若干変ったり、メシが充実していたり、その一方で、オフィシャルビールがコロナになってたりと、大分変った印象。ダンス系の出演者も増えたような気がする。(特に、東京2日目のマウンテンステージは、Devoリスペクト系かダンス系が多かったし。)
ビール好きとしては、コロナがオフィシャルビールというのは、ちと辛いという感想。コロナも好きだけど、これがメインじゃね。ちなみに、Marinでは、エビスの黒生を売っている売店があって、助かった:-)。

*1:例えば、Perfumeはダンスや音楽の作り込みがすごい一方、口パク。Yelleは生歌で、生ドラムを使うなど、ライブ感重視。特にダンスのフリがあるわけでもなく自由。

*2:http://www.johnlydon.com/jltalk.html#japan

*3:褒め言葉である。念のため。

*4:途中から聞いたので前半のことはよくわからないど。